「龍舟」の3次元CG
by 薄 俊也(Shunya SUSUKI) 2009年8月15日
博多座玄関前に飾られるモダンアートとして、蔡國強氏(ツァイ・グォ・チャン:第20回福岡アジア文化賞受賞者)の「龍舟」が、水墨画(左図)により提案された。(1998年)

しかし、水墨画を見た関係者の反応は良いものではなかった。

そこで、この作品に興味を感じた私は水墨画を3次元のコンピュータ・グラフィックス(CG)に置き換え、蔡氏に代わって立体的なイメージを関係者に示すことにした。
水墨画の奥行きを意識しながら、側面図を入力する。

同様に、水墨画の高さを意識しながら、平面図を入力する。
モデリング完成後、レンダリング及び3DのCGアニメーションを作成する。
左図から一つ選んでクリックしてください。CGアニメーションが始まります。
すでに3次元化していた博多座のデータ内に龍舟のデータを組み込み、昼と夜のレンダリングを作成する。

以上のデータをまとめ、関係者への説明用ビデオを製作する。

そのビデオを使って、龍舟の必要性(特に夜)を関係者に説き、コンセンサスを得る。

このビデオを中国でご覧になった蔡氏は、「このビデオを製作した人は、私の作品の意図をよく理解している。そのとおりに製作してください。」と指示され、私のCAD図面(左図)がそのまま実施図面となった。
龍舟の完成で来日された蔡氏から、お礼として蔡氏の作品が紹介されている雑誌(サイン入り)をいただく。
サインのアップ(1999年)
2009年8月13日
博多座エントランス前で撮影した龍舟
2009年8月13日
博多座エントランスのエスカレータ前で撮影した龍舟
2009年8月13日
博多座エントランス前の1階から撮影した龍舟

博多座のエントランスホールの灯りが背景になっている。
2009年8月13日
博多座エントランス前の1階から撮影した龍舟

博多座のエントランスホールやエスカレータが背景になっている。
2009年8月13日
博多座エントランス前の地下1階から撮影した龍舟

2009年8月13日
博多座エントランス前の地下1階から撮影した龍舟

龍舟の提灯には、飛行機などいろいろな形状のものがあるが、これらは子供たちの夢を表している。(蔡氏より)
これは龍の形になぞらえた舟の作品です。この舟は博多が海外と古くから交易して栄えたことを表しています。龍は古くから中国では風水学における気の流れや、無限の力にたとえられる主要なシンボルでした。また、オールに設置された提灯は中国では祝祭用に使われているものですが、博多座入口に華やかさを与えると共に、劇場の持つノス タルジックなイメーシを想起せることでしょう。 蔡氏
2009年9月16日、アジア文化賞の市民フォーラム「アートに何ができるのか」の講演後に蔡氏と10年振りの再会が叶いました。薄

地球にやさしく!私の作品集に戻る