自作CGデッサンに基づく「モナ リザ」の胸像
Sculpture of Mona Lisa
by
薄 俊也(Shunya Susuki)
2007.1.20
(1)今回、彫刻を制作してわかったこと(詳細説明) 

○絵は立体にしても矛盾がなく、写真と同じぐらい写実的である。
 よって、モデルは実在している。

○彫刻と絵の比較において、まぶたやあごの輪郭からダヴィンチの目の高さは、モナリザの胸元(彫刻の台座面)すなわち、絵の中央。

○絵は画面中央を視点とするオーソドックスな遠近法で描かれていると仮定

○モナリザの手が普通より大きく見えていることに着目して、モナリザとダヴィンチの距離を以下の方法により算出すると1m。
 (注)モナリザの顔の位置Aより20cm前方にある手Bが、通常の大きさの1.25倍に見えたとすると、位置Aと視点Cとの距離Xは下記のようになる。

         L:(X−20)=1.25L:X
              L・X=1.25L(X−20)
             0.25X=25                (参考)A・B間が15cmの場合
                X=100cm                     X=75cm         
(2)以上より、推測できること

●ダヴィンチの目の位置が、極端に低く、モナリザとダヴィンチの距離が、極端に近いことから、描かれたのは子供のときでモデルはダヴィンチの母親。すなわち、ダヴィンチは、子供のころ母親を近距離で精巧に描き、後年、その原画をもとにモナリザを描いたと推測。



 
(3)この推測「モナリザのモデルはダヴィンチの母親」から、モナリザにまつわる下記の事柄が解決する。

◎ダヴィンチの自画像説:母親と子供の骨格が似るのは当然である。
               自画像ではなく、まさしく自分の母親の絵。

◎モナリザの謎の微笑み:我が子への微笑。

◎最後までモナリザを手放さなかった理由:自分の母親の肖像だから


 昨年の5月末ぐらいに、モナリザの横顔(CGデッサン参照)をたまたま思いついたのが今回の作品の始まりですが、仕事の忙しさから完成は来年度以降になると諦めていました。
 しかし、私のホームページを見た国連ハビタットの同僚、バラット氏(インド)から、
「ホームページは、ディスプレーを通した仮想の世界でしかない。リアルなものが重要だ。私は、あなたの現存する作品を見たい。人生は短い。モナリザ制作に早く取りかかるべきである。」との励ましの言葉をいただき、10月中旬から急発進し、今月完成の運びとなりました。
 今までの作品は、実在のモデルさんたちの協力で制作していましたが、今回の作品は、5百年前の絵画がモデルであるため、関連出版物等の研究により、像にリアリティを加えています。ちなみに、眼球には人間の眼球の形状に近いと言われているピンポン球を使用しています。
 この作品は、材料に軽量カラー粘土を使用しているため、私の従来の作品と比べ非常に軽量( 575g)に出来ています。したがって、この製法は、重量の問題を抱える人間型ロボット等への応用に繋がると考えています。
                                          2007.1.20
                                          薄 俊也(すすき しゅんや)

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