南京水游城(南京アクアシティ/Nanjing Aqua City
人にやさしいパブリックスペースは、環境にもやさしい
 by 薄 俊也 2008.11.19 
水や緑のあるパブリックスペースは、人に安らぎと快適さをもたらすばかりでなく、夏場の猛暑を和らげるなど環境にもやさしい
(パブリックスペースの表現にはCG(コンピュータ・グラフィックス)を使用しているところがあります)
右:「Google Earth」による上空から見た水遊城(工事中)
南京市内の河川や運河そして街路を覆う並木にご注目ください!
施設概要
所在地 江蘇省南京市建康路1号(商業中心地・新街口から2kmの回遊圏内)
事業主体 上海鵬欣集団、南京四方建設実業有限公司
運営主体 南京運河都市商業管理有限公司
施設面積 約167,000?
階層 商業部分 B2F〜5F、ホテル1F〜14F
駐車台数 860台
店舗数 約200店
入居施設 物販、飲食、エンターテイメント、映画館、スーパー、ホテルなど
売上目標 約13億元(初年度)
開業日 2008年8月29日
主要テナント Holiday Inn、横店電院(映画館)、北京華連グループ(スーパーマーケット)、Sports100、H&M、MUJI、ONLY、UNIQLO、ZARAなど

左上:上図
から西口を撮影(昼) 左:夜景(CG)

施設構想

南京水遊城とは、南京市周辺の市民の方々を対象にした世界のユニークな店からなるエンターテイメント性の高い「ファミリー・エンタテイメント・センター」
水遊城内には運河が流れ、訪問客はその運河に沿って季節ごとに変わる飾り付けやセンター・ステージのイベントを満喫できる。
「快適さ」や「楽しさ」などの新しい時間消費型の価値感を導入することで、中国における都市型ショッピングセンターのモデルになることを目指している。


上記の施設概要・構想は、「水遊城開業のお知らせ」2008.08.27及び「第3回アジア都市ジャーナリスト会議参加者の水遊城ツアーの資料2008.1105」等に基づいています。

左:上図
から西口を撮影(昼)
左:上図から地下1階を撮影(昼)

左:上図
から地下1階を撮影(CG)夜景

手すり周辺には、この噴水ショーによる人垣ができていた。
左:上図から地下1階を撮影(CG)夜景
左:上図から地下1階を撮影(CG)夜景


左:上図
から地下1階の運河を見る。(CG)夜景
奥にはセンターステージが見えている。
左上:上図より地下1階の噴水を撮影(CG)














 
左上:上図1より撮影(CG)

国連ハビタット福岡本部(アジア太平洋担当)主催の第8回世界ハビタット・デー記念絵画コンクール「いのちの水」において受賞された世界の子供たち12名の作品が運河上に展示されてる。

詳細については:http://www.fukuoka.unhabitat.org/event/index.php

左:上図
2より撮影(CG)
左上:上図1より撮影(CG)


左:上図
2より撮影(CG)

左上:上図
1より撮影


大道芸等のイベントが毎日行われているセンターステージ。

この商業施設の心臓部にあたる。



左:上図
2より撮影
左:4階の手すり越しより撮影
左:センターステージ上部
左:センターステージ上部(上の写真の反対側)
左:センターステージの真上(ドーム状になっている)
左:地上1階より撮影

センターステージ側面(小売店舗のサインが一望できる)













下:南京運河都市商業管理有限公司よりご提供いただいた一枚の写真から製作したCGアニメーション




左:上図
よりセンターステージを見る(CG)











左下:左の写真右上に張り出したバルコニー部分(1階)を下図
(2階)から見る
左: 左上の張り出したバルコニー部分にもある「施設内の位置図」

回遊式の平面プランになっていることがわかる。

サインの形状は南京水遊城のロゴマーク(下)に因んでいるようだ。

左上:上図1より撮影(CG)


左:上図
2より撮影(CG)
左上:上図1より撮影(CG)


左:上図
2より東口側を撮影

正面のガラス屋根は、地下2階からのエスカレータの屋根である。

この東側出口から建康路の大通りを渡ると孔子が祭られている夫子廟です。隣接する秦淮河の繁華街と合わせて、年間約2,000万人以上の人々が訪れているそうです。
左上:上図1より撮影


左:上図
2より撮影

地下1階の運河上に地上1階、2階、3階、4階の4本の渡り廊下が複雑に二つの大きな建物塊を繋いでいる。

デザイン・構造計算・施工などすべてが、大変であったことが想像できます。


左:上図
より撮影





渡り廊下の緑が、建物外壁の色と見事に調和している
左上:上図1より撮影


モダンなガラスの材質が、自然の緑と水を介して、複雑な渡り廊下や外壁の曲面と調和している


左:上図
2より撮影


左上:上図
より撮影

地下1階の運河、そして重なり合って見える渡り廊下。

水と緑と建物の複雑な絡み合いが興味をそそる。


左上:上図
1より撮影




両脇の建物の間から、水の中庭が覗く。
見え隠れする空間構成に奥へと誘われる。
左:上図2より撮影



直線で表現された屋上庭園(5階)。

池には木製の渡り廊下が幾何学的に配置されている。

運河の噴水とは対照的に円や半円形に湧き上がってくる泡が落ち着いた空間を演出している。


上:右図(ホリデイ・イン9009号室)より撮影した8枚の写真を、フォトショップにより繋ぎ合わせたコンピュータ・グラフィックスである。

この屋上庭園は、6階部分と前写真の5階部分により構成されている。緑と水の領域が屋上の大部分を占めるため、運河と同様に、夏場の建物の温度上昇を抑制することが期待できる。また、このような建物が増えれば、都市のヒートアイランド現象への緩和に貢献できるであろう。

水や緑と調和したエンターテインメントのあるパブリックスペースは、人々の心を掴み、この商業施設全体の収益性を高めている。そして、このように収益が見込めかつ環境と調和している商業施設は、収益と維持管理費とのバランスの観点から、持続可能な建物と呼べるであろう。

水や緑の導入を建物レベルから地域レベルへ広げていけば、人や環境に調和した持続可能な都市が形成されると思います。

(例)
スイスのツェルマット村
アイランドシティCGコンテスト
アジア太平洋博覧会

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